graveng

1.7 重力推進機関の原理

流体的な揚力を応用して、推進力を発揮させる方法は図1.4のような構造なります。ただし、後に述べる理由から、この円錐状の推進装置は軽いものでなければなりません。

この構造で推進力が発生する理由は、円錐の頂点側の方が底辺側より面積が広く、より多くの周りの空気に力を及ぼすことができるからです。相対的に頂点側の周りの流速は底辺側の流速より速くなり、頂点側の気圧がより低くなるため、揚力が発生するのです。この揚力は、相対的に吹き付ける風などの外部からの場との重ね合わせによるものでないことに注意してください。この装置はプロペラのように自力で推進力を発生させる能力を持っているものです。

重力の場合はどうでしょうか。同じような構造のコマをつくり回転させると、重力の場合は、力の方向は流体の場合と反対ですから、図1.4と反対方向に推進力が出ると予想されます。

論より証拠!実験して見ましょう。「地球ゴマ」という商標で売られている直径5cm程のオモチャのジャイロ(渋谷の東急ハンズで\1,500程で売っていました)に5円玉を5枚程度貼り付けて加工し、研磨用のノズルを取り付けた電動ドリルで、高速に回転させます。するとこのジャイロは、図1.5の推進方向に推進することを観測することができます。この実験は比較的簡単にできますから、疑い深い人は自分で実験して見ましょう。

実験映像

このような実験から、重力を利用した推進機関の構造は、図1.6のようになります。

図1.6の構造をよく見てください。驚くべきことに、この構造は伝統的なコマの形そのものではありませんか。

この構造は、重力推進機関の基本構造として、一つの完成された形となっています。推進力の方向を変化させるためには、回転軸の角度を変えればよいだけなので、望む方向へ推進力を発生させることができます。例えば、この推進機関を応用したものとして、図1.7のような構造が考えられます。

重力推進機関の構造は、ここで述べた方法以外にもあるのでしょうか。別の方法を考えて見ましょう。 わかりましたか。[解答]


1.8 リング型の重力推進機関

サブメニューに戻る

ホームページに戻る


Updated 11/24/1997 redsky@graveng.jp